初心者が狭いベランダで生ゴミコンポストを作り始めて、あっという間に2年が経過しました。
とにかく生ゴミを堆肥化したいが虫が嫌いという一心で生ゴミコンポスト作りはじめたのでした。
しかし虫嫌いや臭いが嫌な人間でもコンポスト作りは可能なのか?
虫と臭いが嫌だったのでこの2つが発生しにくい条件を探し、狭いベランダでも作りやすいと感じた、密閉式コンポスト、ダンボールコンポスト、土中式コンポストという3つの方法を交代にやってみて2年間コンポスト作りをしました。
今回は密閉式コンポスト、ダンボールコンポスト、土中式コンポストの3つのコンポスト作りを実際にやってみてわかったメリット・デメリットをご紹介したいと思います。
生ゴミコンポストのメリット・デメリット
まずは今までにやってきたコンポスト作りの方法をご紹介します。
密閉式コンポストとは?
EM菌ぼかしという生ゴミ発酵促進剤を使用した方法です。
この方法なら、ふたが付いているため虫が発生せずに発酵させることができます。
専用のバケツが売っており、このバケツに生ゴミと生ゴミ発酵促進剤を交互に入れて嫌気性発酵(酸素を必要としない発酵)させ、ぬか漬けのような状態を作り二週間ほど、寝かし一次発酵させたらぼかし和えの完成。
そして一次発酵させたものを、さらに土に埋めて定期的に混ぜながら好気性発酵(空気が必要な発酵)させて二週間ほど寝かせば二次発酵が完了し堆肥の完成です。
密閉式コンポストのメリット
一次発酵時は臭くないし虫も沸かない
バケツに入れて生ゴミと生ゴミ発酵促進剤を交互に入れ、ぼかし和えと呼ばれるぬか漬けのようなものを作ります。(一次発酵)
この一次発酵の際はバケツが密閉してあるので虫が沸かず、カビ臭さはありまが、生ゴミが腐ったようなクサイ臭いもほとんどしません。
蓋で密閉されており室内で運用できるので、容器を台所に置いておけば生ゴミを外に捨てる手間が省けます。
ただその後土に混ぜるのですが、その際は臭いがしたり虫が出たりもします。
詳しくは後述の密閉式コンポスト作りのデメリットをご参照ください。
二次発酵時の分解が早い
一次発酵である程度発酵が進んでいるので、土に混ぜて二次発酵させる際は2週間程度と比較的早く分解します。量や気温などにもよりますが、夏場は1週間もすれば形がなくなり、培養土のような土の臭いがしました。
密閉式コンポストのデメリット
二次発酵をさせる際に臭いや虫が湧きやすい
専用バケツからプランターなどに移し替える際に臭いがしました。
水分が多いことが原因ですので、ある程度乾燥させてこまめに液肥を抜くなどした対応が必要ですが、密閉式のコンポストを作っている他の方にも聞きましたが、やはりある程度臭いはしているとのことでした。
また二次発酵では酸素が必要なので、袋をかぶせてゆるく縛って置くなどして対応しましたが、隙間からミズアブが入ってきたりと虫の侵入に悩まされました。
一度に大量の堆肥がたくさんできてしまう
我が家では1日500g、ひと月だいたい15kgくらいの生ごみが出るのですが、その生ごみを二次発酵の際に土と混ぜなければならず、狭いベランダでは毎月この量の生ごみを混ぜ込むことができるプランターの数がないので困りました。
大きめのプランター2つで二次発酵させ、できた堆肥を他のプランターに分けていくという方法でプランターを買い足していき、現在は15個もプランターがある状態になってしまいました。
ぼかし(生ごみ発酵促進剤)を購入しなければならない
生ごみが出るたびにぼかしを入れなければいけないので、かなりの量が必要です。
21Lの専用バケツだと、生ごみ発酵促進剤を1~2袋程度必要で購入し続けなければならず、面倒でした。
ダンボールコンポストとは?
行政がキッドを有料or無料で配布しており、ネットで検索すると色々な市町村のダンボールコンポストの記事がたくさんヒットします。私も行政の講習会でもらったキットを使ってダンボールコンポストを作ってみました。
ダンボールに籾殻くん炭、ココピートを混ぜてその中に生ゴミをどんどん投入していきます。うまく管理すれば3ヶ月以上生ゴミを投入できるそうです。
ダンボールコンポストのメリット
発酵熱を体感できる
生ゴミや空気中に存在している微生物が生ゴミを分解することで熱が発生します。
特にカロリーの高い廃油や肉や魚の皮などを入れると微生物の活動が活発になりコンポスト内の温度が上昇します。
温度は50度を超えることもあり、冬だとコンポストを混ぜると湯気を見ることもでき感動します。
ダンボールなので準備も後処理も簡単
必要なものはダンボールともみ殻くん炭、ココピートのみなので準備も簡単です。
また市町村などでは無料で配布している場合もあるので、安く運用できるのも魅力的です。コンポスト作りが終了したら、ダンボールは畳んで処理することができるので簡単に処理ができます。
悪臭はあまりしない
よっぽどたくさんの肉や魚を入れない限りあまり悪臭が漂うことはありませんでした。そして発酵が順調に進んでいるコンポストであれば、すぐに分解されるため臭いはあまり気になりませんでした。
ダンボールコンポストのデメリット
やっぱり虫が湧く
虫が比較的湧きにくい冬の時期に生ゴミコンポストを作りましたが、気をつけていてもコナダニやコバエは発生しました。夏場はミズアブなども発生したりします。
スペースが必要
ベランダや庭の雨が当たらない場所にダンボールを置かないと行けないため、ある程度場所が必要です。
虫が湧くことも多いため、洗濯物の近くには置きたくないと思うと狭いベランダだと困りました。
基材を準備しなければならない
行政でもらえるところもありますが、そういった場合もダンボール、ココピート、籾殻くん炭などを取りに行ったり、購入して準備しなければいけないので面倒でした。
土中式コンポストとは?
土中式というと難しい感じがしますが、ただ生ゴミを土に埋めるだけです。器材なども特に使わず、庭の一角を20cmほど掘って生ゴミを埋めます。もともと土にいる土着菌や虫たちの助けもあり素早く分解させます。
我が家の狭いベランダの隅に穴を掘って埋めています。
最近は大きめのプランターに市販の培養土と生ごみを交互に挟むように入れて封をしてコンポスト作りをしています。
土中式コンポストのメリット
土中に埋めてしまえば虫は見えず臭いもしない
20cmくらい穴を掘って埋めてしまえば、虫が集まっている姿を直接見ることはないので虫嫌いには安心です。また生ゴミを細かく切って埋めれば、腐敗する前に分解されるため悪臭も漂いません。
しっかりと土に埋めておけば、夏場であれば1週間ほどで魚の皮なども分解されて形がなくなっていました。
基材などが必要ないためお金がかからない
土の中にいる分解者たちが勝手に堆肥を作ってくれるため、特に必要な基材もありません。
また自宅の一角に土があればそこに埋めることで自然に堆肥が出来上がります。
最近はプランターの土に埋め込んだり、土と交互に生ごみを入れるなどして、生ごみを堆肥化させています。
土中式コンポストのデメリット
やはり虫が現れる
生ゴミの分解者であるダンゴムシ、ミミズ、ヤスデ、アリなどが増えていきます。
特にダンゴムシの数が増えており、スコップで穴を開けるとダンゴムシの赤ちゃんが大量に現れることもあります。
しかし筆者が特に嫌いなミズアブやコバエなどが発生したことは今のところありません。
埋め続けると場所がなくなってくる
生ゴミを埋めるとある程度分解されるまでに1〜2週間程度かかるため、毎日埋める場所を変えていると、だんだん場所がなくなってきます。
狭い庭やプランターのみの運用だと埋める場所がなくなるかもしれません。
結局どのコンポスト作りがやりやすい?
すべてメリット・デメリットがありますが、初心者が2年間作ってきたコンポスト作りの中で一番実践しやすかったのは、ただ土に埋めるだけの土中式コンポストだと思いました!
ランニングコストもかからず、虫も沸かない、臭いもないので継続しやすいです。
ベランダに土がない場合もプランターに土を入れて、そこに生ごみを混ぜ込めば分解されるので、較的やりやすい方法かと思います。
ただ猫やカラスに荒らされないように、ビニール袋で覆うなど対策が必要です。
生ゴミコンポストを作ってみよう!
実際にコンポスト作りをすると、生ゴミの量が圧倒的に減り、さらに野菜もすくすくと育つ堆肥ができて一石二鳥!
秋から冬にかけては、虫も発生しにくく楽しみやすい時期なので、皆さんもぜひ作ってみてくださいね!